世界トップクラスのアーティストから長きにわたって、惜しみない称賛を受けるギターを排出し続けているジェームス・タイラーが、STRギターを手掛ける長野県「飛鳥工房」、代表でありマスタービルダーである八塚悟氏の高い技術に着目する形でスタートした「James Tyler Japanモデル」。タイラー氏のこだわり抜いた細部のコンセプトを、八塚悟氏はじめ飛鳥工房の職人たちが高次元で実現した、まさに夢のようなギターです。
【ボディ】
ボディトップにはまるで結晶のような神秘を帯びたBackeye Burlが、木材の可能性を再認識させるような存在感。全体をとりまく均一性は、ちりばめられた楕円形、中心に向かって放射状に伸びたようにみえる直線の杢目が影響してか、躍動感に満ち、ギターとして第二の生命を吹き込まれたかのようです。硬質なトップ材と、バック材のアルダーはサウンド面・重量面で絶妙のバランス。取り回しにおいて理想的な重量(本体:約3.5kg)は後述の高い操作性に深くかかわっています。
【ネック】
ネック材には耐久性が高く均整のとれたクォーターゾーン (柾目)のみを採用した、Quater Swan Mapleを使用。通常のメイプル材などに比べ、ねじれなどの変質に対して強く、最も理想的な状態のネック材となっています。
※ジェームス・タイラー本家のコンセプト「マキシマム・プレイアビリティー(演奏性の最大化)」を継承した、少しザラっとしたタッチ感・グリップ感のネックです。
【パーツ】
ブリッジ(510/JTC)は、通常時でもフローティングセッティングのように高音へのピッチベンド可能。
各部サドルのピッチ精度も非常に高く、ロック式のヒップショット製ペグ、絶妙な溝切りを施したナットなどとのマッチングが、前述の演奏性、トップレベルの完成度の獲得をサポートしています。
【各部加工など】
手の握りこみ具合に合わせた独特なヒールカットや、指板のサイドスキャロップ、ボディエッジの加工など、演奏者のために生まれ、練り上げられたアイデアが結集。タイラー氏の一貫したコンセプトの道筋に、飛鳥工房最高の技術を余すことなくつぎ込んでいます。
【ピックアップ・サウンドインプレッション】
リア:HOT RETRO
力強いハムサウンドですが、ヴィンテージフィールの印象色濃い、音分離がよくクリアな音抜けです。
センター:5500
甘くもタイトに引き締まった中音域と、アタックのきびきびとした高音域が特長のサウンド。
幅広いトーンレンジのピックアップをセンターに置くことで、ハムバッカーとの対比を生かしながらも、
パワー面での聞き劣りを一切感じさせません。
フロント:RETRO
まとまりの良い甘いトーンのRETRO。クリーミーな質感で、ハムサウンドらしい豊かなロー・ミッドは、まさに「マキシマム・トーン」の名の通り。
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