当店スタッフが長野のメーカー工房、飛鳥ファクトリーを訪れた際、momoseブランド及びショップオーダー・個人オーダーを含む特注モデル全般を担当し、加工部門のベテランクラフトマンでもある高取氏より、「良いフレイムアッシュ材がありますよ。」との事で木材を見せていただいたのがこのギターの誕生するきっかけです。
実際に非常に木目の美しい極上の木材を目の当たりにし、またちょうど当店が設立10周年を迎えるということもあり、ここは思いきって当店としても記念になるような、特別仕様のエレキギターをこの材で製作いただこうという決断に至りました。そうして長い時間を経て遂に完成したのが、本モデル momose MTL-FA HOLLOW ALL-BROWN です。圧巻の威容を是非お確かめ下さい。
※1本のみの特別製作モデルです。
【ボディ】
何といっても目を引くフレイムアッシュ。もともと深い杢が特長のアッシュ材にフレイムが出ることで、
非常に均整の取れた市松模様のような見栄えになっています。なるほど、クラフトマンお墨付きの材なだけあって、深い陰影のついたフレイム。それにブラウンの塗装が相まって、派手さよりも落ち着いた立体感を見せる、そんな雰囲気になっているのではないでしょうか。演奏性にかかわるポイントとしては、ホロウ加工を考慮してか、内部の空洞を感じさせない安定感のある重量(約3.7kg)を保っております。こうした適正なウエイトを稼ぐことによって、演奏者視点からは楽器の体幹とも捉えられる演奏性・バランス感を獲得。純粋にホロウの長所(前述のエアー感)だけを実現したこだわりの設計です。
【ネック】
贅沢を極める1Pフレイムメイプルネックは、ボディの杢とは一味違い、ネックの曲線に沿った出方が特長です。光をあてる角度を変えてはその都度違った表情を楽しめる多角的な杢は、これぞ楽器の個性!といったところ。この1本を選ぶ理由となり得ます。またオールブラウンの中にあって、アクセントとなるバインディングにはべっ甲柄を採用しております。「指が弦に吸い付くような」感覚があるmomose全般の評価のままに、フィンガリングを導くネックは程よい握り具合。レギュラーモデルのラッカー塗装よりさらに塗膜を薄くしたウレタンサテンの影響で、移動時の抵抗がより少なくも程よいグリップ性能を生み出しました。ヘッド部分には、唯一無二の仕様で製作された特別オーダーモデルであることを表す「S10-01」の刻印がさりげなく彫られています。
【パーツ】
ペグにはレギュラー同様のハイスペックなクルーソンタイプGOTOH/SD91-05M。絶妙なトルク感が心地よく、当モデルの高いピッチの安定性を助けています。見逃せないのはGOTOHの6連サドルGTC101(ゴールド)を搭載している点で、厳密なピッチ調整が可能となっている最大のポイントです。
ハードウェアをゴールドで統一している一方、エスカッションにブラックを配したことがグッと見た目を引き締めているだけでなく、楽器全体のスタイルをまとめているような印象を受けます。
【ピックアップ】
ハムバッカーのピックアップにはいずれも BEANO を搭載。
シングルPUにはない音圧を表現しつつも、ヴィンテージレスポールのような上品なサウンドフィール。音圧の犠牲となりがちな「クリアさ」を損なうことのないピックアップです。
|