飛鳥ファクトリーでハンドメイド制作され、Bacchus HANDMADE Series のラインナップの中でも歴史が深く、長きに渡って根強い人気を誇る WOODLINE モデルの最新アップデートモデル“WOODLINE 417” のご紹介です。モデルデビューから続く伝統的な工法はそのままに、更なる高みへと向かう職人の熟練度と共に、現在に至るまで度重なるアップデートが施され、その時々のプレイヤーのニーズ、求められるサウンドに合わせて進化してきました。 “WOODLINE 417” も過去の WOODLINE と同様、素材の鳴りを活かした豊かな鳴り、高いプレイアビリティを継承しつつも、新たなチューンナップが加えられています。
[ネック]
プレイヤーの演奏性に直結し、楽器の鳴りにも大きな影響を与えるネックには十分にシーズニングが施されたメイプル材を使用。ブロック材の状態からネックとして形成されるまでの間に、職人達により木質を見極めた的確な加工を施し、また、削るごとに状態が変化する木材の安定性を高める為、各工程の合間に材を寝かせて十分な狂い出しを行う事で、素材の鳴りを引き出し、長くお使いいただける剛性を備えています。また、指板面はフレットを打った後の処理が極力無いよう、指板Rに合わせた平面をしっかり出し、各ポジションでの均一なレスポンスだけではなく、リフレットの際の機体へのダメージを最小限に抑えます。
ネックグリップはUシェイプを採用し、厚薄過ぎず、程良いグリップ感を残したサテンフィニッシュで仕上げられており、スムーズな演奏性とフィット感を備えています。ボディカラーに合わせたマッチングヘッド仕様、パーロイド材のブロックポジションマーク、ネックバインディングなど、見た目にも拘った上品なルックスも魅力です。
[ボディ]
ボディは取り回しが良く、スタイリッシュな印象を与えるディンキーシェイプボディを採用。アッシュ材の木目を活かしたフィニッシュに合わせ、過去の WOODLINE モデルから継承されるクリアピックガードを搭載し、材の木目を前面に活かした落ち着きのある外観に仕上がっています。ネックとボディの唯一の接点であるネックポケットの加工は、ネックが完成しボディに組み込む際に再度微調整を行い、きつ過ぎず緩過ぎない、絶妙な力加減でネックが収まるよう、非常に精巧に加工されており、各部で異なる材のサウンド特性を活かした一体感のある鳴りを実現しています。
[ピックアップ]
今回の WOODLINE シリーズはピックアップがリニューアルされており、ピックアップ上を通る各弦とポールピースの位置の最適化を行っています。また、前モデルと比べ、リアピックアップの位置を約1センチブリッジ側に配する事で、タイトで抜けが良く芯のあるサウンドに仕上がっています。特にターボスイッチ ON 時は旧モデルと比べ、クリアでより音抜けが増した印象があります。
〜ターボ回路説明〜
一般的にフロント/リアにシングルコイル PU (ピックアップ)を2基搭載したベースはフロント/リアがパラレル(並列)で配線されています。WOODLINE に搭載されているターボスイッチはトーンノブを引っ張りONにする事で、フロント/リアを(直列)回路に切り替え、フロント/リアピックアップを連動させた擬似的なハムバッキングサウンドが得られます。
これにより、音量が持ち上がり、より太くパワフルなサウンドの出力が可能となり、パッシブ機種ながらも、より汎用性の高いサウンドメイクを可能にしています。
※ターボON時は1ボリューム、1トーン仕様となり、フロントPUのボリュームノブがマスターボリュームとなります。
[ペグ・ブリッジ]
ペグには長きに渡って高い精度と安定性、信頼性の実績を誇る GOTOH 社製の GB11WC を、ブリッジには同社製の 404SJ を搭載。スチールサドルとベースプレートには音色に定評のあるハードジンク材を使用しており、各音域でクリアな響きとサスティン豊かなサウンドを作ります。また、ブリッジは通常のジャズベースブリッジと同じトップローダー(表通し)での弦の張り方だけではなく、ボディ側の加工も含め、スルーボディ(裏通し)にも対応。スルーボディ(裏通し)ではアタック音が強調され、よりボディ材のサウンド特性を強調させた鳴りをお楽しみいただけます。演奏スタイルに合わせて弦ごとに張り方を変えてみるなど、個性を重視した柔軟なセッティングも可能にしています。
[フィニッシュ]
伝統的なカラーでトップラッカーで仕上げる3TSカラーの他、WOODLINE の定番ともなっているオイルフィニッシュのカラーラインナップをご用意。特にオイルフィニッシュカラーはごまかしが効かず、木肌の状態が仕上がりに大きな影響を与える為、ボディの研磨工程に更に手間をかけ、通常よりも高い番手(細かい)のペーパーで仕上げています。
当店 SOAR MUSIC では毎月のように工房へ見学に行きメーカーとの連携を密に行っているのですが、その際に職人の方に教えて頂いたお話によりますと、低い番手(粗い)のサンドペーパーからの傷を残さないよう徐々に番手を上げて丁寧に仕上げる事で、オイルフィニッシュならではの風合いと質感を出しているそうです。また、弾き込んでオイルフィニッシュ部分の色合いが褪せてくる事で、プレイヤーの演奏スタイルに応じた独特の風合いを醸し出していきます。トップラッカー、オイルフィニッシュ共にアッシュ材の木目をお楽しみいただける外観に仕上げられています。 |