フレットまわりの作業フロウ Workshop Deviser Guitars
Workshop Deviser Guitars
今回取り上げるギターの組み込み作業は「フレットまわりの処理」についてです。
バイオリンや三味線には存在しないフレット。ギターやベースならではの要素ではないでしょうか。
WDG(Workshop Deviser Guitars)ではこのフレットまわりの処理を三つの作業に分けて行っています。作業のポイントは二つ。
・「弾きやすく」
・「フレットの頂点の高さを揃える」
それでは実際の作業ご紹介します。
1.フレット端の角を落とす。
まず最初にフレット端の角をヤスリで落とします。
フレットサイドを直線にするためヤスリをかけます。フレットの端は木部から出てしまっている場合にはこの時に削ります。
2.フレットのすり合わせ
すり合わせというとフレットがすり減った時に修理として行うイメージが強いと思いますが、ギター製作として新品を作る時にも大切な作業です。
この「すり合わせ板」と呼んでいる工具に貼り付けたヤスリを使い、再度フレットの頂点の高さを揃えます。フレットを削りすぎると寿命を縮めることになる為、状態を細かく視察、判断した上で、必要最低限で削ることを心がけています。
3.フレット角を丸める
フレットのすり合わせの時にできた角を丸めます。このまま丸めないと弾きやすいギターにはなりません。
専用のヤスリを使って、丁寧かつリズミカルに角を丸めていきます。ここで大切なのは角を丸めながらも、削りすぎると1弦と6弦がフレットの端から滑りおちてしまいますので注意が必要です。演奏時のストレスにならないようにと考えながら行うことがポイント。サンドペーパーも番手を変えていって傷をどんどん細かくしていきます。
あとはバフやコンパウンドでピカピカなフレットに仕上げていきます。最後は指板をレモンオイルで仕上げます。ローズウッドやエボニーは未塗装のため、レモンオイルで湿度の変化による木材への影響を和らげます。(日々のメンテナンスの際、メイプル指板にはオイルは塗らないでください。塗装下のシミの原因になります。)
細かな作業が大事だなと痛感しました。まだまだ始まったばかりのWDGですが、日々の作業で大忙し。
それではまたの更新をお楽しみにっ!
※こちらの記事はWDG広報担当タケウチさんのブログより転載させていただいています。
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