リペア・改造日記~大切なのはゼロ~Part.2

リペア・改造日記

毎度ご愛読ありがとうございます。

 

リペアスタッフの平です。

 

 

前回のリペア・改造日記に引き続き、

今回もナットについてのお話です。

 

前回はナットの役割と重要性、そして素材の違いなどを紹介しました。

まだ読んでいないという方はこちらからどうぞ↓

http://bacchusdo.com/news/repair/post-2549

 

 

さて、ナットがどういう物でどれだけ大切なのか

皆さんにもわかって頂けたかと思いますが、

 

今回は、そのナットが作られるうえでの

音質を左右するような重要なポイントを解説していきますよ!

 

 

まず、ナットとはどの様に製作されているのでしょうか。

 

比較的安価なモデルに搭載されているものだと

工場の機械で大量に作られている場合もあります。

 

そしてハンドメイドなどハイエンドモデルに搭載されているものは

一つ一つ丁寧に職人の手で作られています。
(※メーカー、モデルによって異なります。)

 

「ナットなんて弦の溝が切ってあるだけじゃん?」

「全部機械作業でよくね?」

 

なんてことを思ってはいないでしょうか。

思ってしまった人は今日からギター職人に足を向けて眠れませんよ!

 

もちろんナットはただ溝があるだけではありません。

 

前回お話したようにナットはとても重要な役割を担っています。

その為、些細な部分で大きくサウンドに影響してしまうのです。

 

 

ナットの役割として重要なことは弦の振動を止めることです。

(止めると言っても音を鳴らなくするわけではありませんよ。)

 

「ギターの音となるナットからブリッジまでの弦の振動を逃がさないようにする」

ということです。

 

振動が逃げてしまえばその分音の鳴りに影響してしまうので、

それを防ぐために、「ナットで振動を止める」ということが大事になるのです。

 

 

では振動を止める為にどのような構造になっているのか。

あなたがお持ちの楽器と一緒にお読みください。

 

まず、溝の幅は弦とピッタリになっているはずです。

これがもし弦より広ければ、もちろん振動を逃がしてしまいますよね。

 

逆に狭い場合、ナットと弦の接地面積が小さくなり振動が逃げやすくなったり、

摩擦が強くなりすぎてチューニングの狂いに繋がります。

 

なので溝の幅はピッタリが理想となります。

 

 

そして溝の底を見て頂くと、

ネック側からヘッド側にかけて、山なりに下り坂のようになっています。
(写真では分かりにくいですが…)

 

これは、弦がペグに向かって下に下がっている為ですが、

もしナットの溝が下り坂になっていなければ、

溝の端で弦が折れ曲がってしまい、

これもチューニングの狂いや音の劣化に繋がります。

また、山なりでない場合も同様です。

 

余談にはなりますが、ヘッドが指板よりも低かったり角度がついていたり、

ヘッドの1,2弦側などにストリングガイド(リテイナー)

と呼ばれる弦を押さえつけるものがついているのは、

弦のナットに対する圧力を強くし、ナットの役割を補助するためでもあります。

 

ナット溝については他にも、各ペグに溝の走る向きを合わせるなど、

職人それぞれの方法やアイデアがありますが、基本は今回紹介したものになります。

 

これであなたも一つ、ギターに対する知識と愛情が深まりましたね。

 

 

当店ではナットの加工や製作も承っております。

 

「弦の共振が気になる」

「違うナットを試してみたい」

「4弦ベースに5弦用を張りたい」

 

などなど、ギター・ベースに関することは

メーカー・内容を問わず何でもご相談下さい。

 

もちろん質問のみでもお伺いします!

お気軽にお問合せくださいませ!

 


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